院長ブログ

レントゲン撮影の被爆について

おはようございます。
みやリハ院長の宮崎義久です、。当院のブログをご覧頂きありがとうございます。

3月に入りました。いよいよさくらのシーズンが近くなりました。
それに合わせて、3月16日に西鉄大牟田線の新駅である「桜並木」駅が開業予定です。
当院への最寄り駅になるので、交通機関を利用して来院される方には便利になると思います。

ところで、皆さんは健康診断などで、レントゲン撮影を受ける機会があると思います。
整形外科は骨を得意とする分野ですので、レントゲン写真は必要不可欠です。
クリニックレベルでは、たくさんの画像を一度に撮ることはないのですが、「少し前にCT検査を受けたのですが、更に撮影しても大丈夫でしょうか?」など、放射線の被ばくを心配される方がいらっしゃいます。

そもそも。レントゲンとは何でしょうか?
レントゲンとは、1895年にドイツのレントゲン博士によって放射線が発見されました。後の1901年にノーベル物理学賞を受賞されております。博士は「X線」と名付けました。「X」とは数学の未知数を意味しているそうです。
なので、放射線を利用した撮影や検査では、「レントゲン」や「X線」の名前が混在しています。
最初に奥さんの手を撮影したそうです。画像を見た奥さんは「自分の死体を見ているようだ」と不評だったそうです。

 レントゲン博士と奥さんの手のレントゲン画像

ちなみに、放射線検査の「放射線」は電子レンジなどと同じ電磁波の一部です。
電磁波はエネルギーが低い状態が「電波」、エネルギーが高い状態が「放射線」です。

なぜ、放射線は注意が必要なのでしょうか?
放射線を受けることを「被ばく」と言います。
被ばくすることで、細胞内のDNAに影響が起こるからです。
医療現場でルールを守った放射線の被ばくでは大きな影響はありませんが、長時間・広範囲・高エネルギーの被ばくを受けると、DNAの修復が困難となり、誤ったDNA情報が発がんの原因になることがあります。

自然界にも放射線は存在しており、「自然放射線」といいます。私たちは日常から少量ですが、常に放射線を受けています。
放射線を示す単位は「Sv:シーベルト」と言います。「mSv」は「ミリシーベルト」になります。
自然放射線の被ばくは、世界の平均では 2.42mSv、日本の平均は2.1mSvです。
健康診断などでの肺のレントゲン写真は0.02mSv、腹部のレントゲン写真は0.7mSvです。
小さく薄い部位は少ない放射線量、部位が厚く密度が高いほど線量が多く使用します。
当院の骨粗鬆症検査で使用する「DXA法」という検査の線量は0.02〜0.2mSv程度です。

この図を参考にすると、100mSv以下であれば、発がんの影響で有意差はないとされています。
人工的な放射線は受けないに超したことはないのですが、病気に対する検査や治療など、有意義なことはたくさんあります。
医療従事者の立場からすると、レントゲン撮影は、なるべく最小限の被ばくを心がけて行かなくてはなりませんね。

投稿日:2024年03月03日

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