院長ブログ

ステロイド注射について

皆様、ご無沙汰しております。
みやリハ院長の宮﨑義久です。当院のブログをご覧頂きありがとうございます。

当院リハビリスタッフがブログ作成に協力して頂いてるおかげで、私のブログ作成がサボり気味になっています。
気づけば前回の公開は9月なので、5ヶ月ぶりの公開です。
開業後もうすぐ3年を迎える直前です。コロナ警戒が発令された時に開業し、コロナ感染も5類に格下げになろうとしている時期になっています。まさに、with corona という印象です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

当院では、手の領域で困っている患者様が多く来院されています。
その代表的な疾患を過去のブログで紹介していますが、治療法で「ステロイドの注射」のコメントを多く書いています。
一概に「ステロイド」と言っても目的と用途で使い分けを行うため、色々な種類があります。
当院でも数種類のステロイドを使用しています。
その中で、私がよく使用しているステロイド剤は「ケナコルト」という薬剤です。

このような容器に入っています。

一般名は「トリアムシノロンアセトニド水性懸濁液注射液」という長くて覚えにくいので、
「ケナコルト」がわかりやすいですね。
この薬剤の特徴は、懸濁液(けんだくえき)という、白くにごった成分です。

この写真で、容器の底に沈殿しているのがわかりますか?
使用する際には良く振って沈殿物を均等に溶かします。

私はケナコルトを手の領域の疾患でよく使用しています。
効き目が強く、懸濁成分のおかげて、かなり長期間効果が持続します。
ごくごく少量しか使用しないため、麻酔薬で薄めてから注射します。
腱鞘炎や小関節などに使用する場合、大体、3ヶ月以上は効果が持続する印象です。

効き目が強いということは、副作用も考えなければなりません。
まずは、患者様の背景です。
糖尿病、腎障害、緑内障、高血圧症、急性心筋梗塞などの合併症や妊婦さんや授乳中の方などには注意が必要です。
かかりつけの主治医に相談してから使用しています。

まれではありますが、注射部位の皮膚が白くなったり皮下脂肪が萎縮することがありますので、
患者様には説明を行ってから注射しています。
また、腱鞘炎に使用する場合は腱断裂の可能性を考えなければならないため、使用するときに不安な場合は、
エコー検査で腱の状態を確認しています。

上手に使用すればとても有用な薬剤です。

投稿日:2023年02月19日

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