院長ブログ

テニス肘とは?

皆様、こんにちは
みやリハ院長の宮﨑義久です。3週間ぶりの更新になります。

新型コロナの再拡大や梅雨の大雨の影響で一喜一憂の7月でした。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?コロナも心配ですが、梅雨明けと同時に今度は熱中症が心配ですね。

私は手外科専門医ですが、手外科の領域は肘関節まで入ります。
外来診療で、肘のトラブルで圧倒的に多いのが、テニス肘です。正式な疾患名は「上腕骨外側上顆炎」と言います。
物を持ち上げたり、手をひねったりする動作で、肘の外側から前腕が痛み、手を伸ばして物が持てなくなります。
来院される患者さんからは、「タオルを絞るポーズが痛い!」とよく言われます。
テニスを行う人に多く発生するため、「テニス肘」という俗称が流通していますが、
もちろんテニスを行わない人にも発生します。要するに使いすぎによる疾患ですね。
下図は肘の外側の解剖です。

図に示す長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋は手首を伸展(そらす)働きの筋肉です。また、総指伸筋は指を伸ばす働きの筋肉です。
各々の筋肉が肘の外側に付着しているため、テニス肘の痛みが出やすい部位になります。

治療方法の1つとして、自宅でも出来るストレッチがあります。
下図のように手を後ろに回し手首を曲げる、さらに反対の手で、中指を引っ張って、さらに手首を曲げる。
このポーズで肘の外側に付着している筋肉が引き伸ばされます。

イスを利用したり、反対の手で強制的に手首を曲げるのも有効です。その際に、肘を完全に伸ばしておくことが重要です。

スポーツや仕事の後は氷で冷やすのも有効です。
その他にも、バンド療法などが有りますが、次のスッテップとして、ステロイド注射は有効です。
皆様、外来にてテニス肘を診断されたらご家庭で試してみて下さい。

※ ちなみに、肘の内側にも同じような症状が起こります。
この場合は手を曲げるポーズの使いすぎ症状で、「ゴルフ肘」と言い、正式な病名は「上腕骨内側上顆炎」と言います。

投稿日:2020年08月02日

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