キズの話し
当院のブログをご覧になりありがとうございます。
みやリハ院長の宮崎義久です。
前回のブログは元旦に更新しており、早くも半年以上が経過していました。
今年はあっという間に梅雨明けしました。毎年、気候が変動しており、この先、どの様になるかが少し心配です。
当院では整形外科では定番である「キズ」の治療目的で多くの患者様が来院されます。
なかには、縫合が必要な方もいらっしゃいます。
キズが出来る原因は様々です。
・切創:包丁やカッターなどの鋭利な刃物で出来たキズ

・擦過創:皮膚がこすれてはがれたキズ

・挫創:転倒や打撲など鈍的な外力で出来たキズ

・挫滅創:交通事故や転落事故などの圧迫力で押し潰れたように出来たキズ

その他にも、針などの鋭利な先端が刺さって出来た刺創や、熱湯や化学物質などで出来た熱傷などがあります。
キズの直り方には皮膚の構造が関わってきます。
皮膚は浅い層の表皮と深い層の真皮に分けられます。

表皮は再生能力があるため、表皮レベルのキズは大体が約2週間以内でキレイに治るのですが、真皮は再生しないため、真皮の深いレベルに達したキズは、肉芽という組織がキズを覆うことにより修復されるため、瘢痕とよばれる跡が残るようになります。
しかし、浅いキズでも感染や体質などが原因で跡が残る場合があります。
キズが治る過程は4段階に分けられます。
1)止血期(受傷後〜数時間)
キズが出来ると、まず出血がおこります。
血液中の血小板が血液を固める(血栓)ことにより、出血を止めてキズ口を塞ぎます

2)炎症期(受傷後約3日)
出血がおさまると、キズの周囲の細菌や、死んだ組織を取り除くためにマクロファージという組織が集まります。
その際に、キズの周りが腫れたり、熱や痛みを伴う時があります。いわゆる炎症が起きている最中です。

3)増殖期(受傷後3日〜2週)
キズが落ち着いてくるとキズ周囲に新しい血管が伸びてきたり、コラーゲンというタンパク質がキズ周囲を埋めていきます。

4)成熟期(受傷後2週〜)
新しく作られた組織が強くなり、整った状態になります。

いかにこの流れを順当に行う環境を作ることが大切なのですが、大昔より色々な工夫を行っていたようです。古代エジプトではキズを水とミルクで洗ったあとに、蜂蜜と樹脂で覆っていたそうです。聖書には包帯で覆った上から蜂蜜とぶどう酒を注いでいたという記載があるようです。
日本でも神話で「いなばの白ウサギ」がキズを負った時に、オオクニヌシのみことがキズを真水で洗ってガマの穂で覆ったというエピソードを絵本で読んだ事があります。
深いキズは、状態により汚い部分を取り除いて縫合を行いますが、大抵は保存的に経過を見ます。
1990年くらいまでは、キズをガーゼで覆い、乾燥させることが一般的でしたが、最近は、キズを蒸れた環境で置く方が早く良くなることが知られています(湿潤治療)。
最近は、湿潤環境を作るためのテープ剤(キズパワーパットなど)がドラッグストアでも購入することが出来ます。全てのキズが対象というわけではなく、中には感染のリスクがある場合があるため、見極めが重要です。
また、蒸れすぎると,逆に周囲の正常な部分に湿疹などが出来る場合があるため、適度に蒸れた環境が重要です。
消毒液も、感染予防には大切ですが、キズを早く回復させる妨げにこともあるため、キズの状態を見極めながら、処置の内容を検討することが大切です。
キズは時間とともに変化していくため,早めの来院をお勧めします。
投稿日:2025年07月13日




