リハビリスタッフのブログ

神経痛とお薬、リハビリの効果

皆様、こんにちは。

ブログをご覧いただきありがとうございます。

理学療法士の馬場です。

前回は「侵害受容性疼痛」と「痛み止め」についてお話しました。今回は、少し異なる種類の痛み「神経障害性疼痛(神経痛)」と、それに対するお薬やリハビリの役割についてご説明します。

◯ 神経痛って、どんな痛み?

「ビリビリ・ジンジンする」「電気が走るような痛み」「触れるだけで痛い」

こんな症状を感じたことはありませんか?

それは、いわゆる神経痛かもしれません。医学的には神経障害性疼痛と呼び、筋肉や関節の炎症による痛み(侵害受容性疼痛)とはメカニズムが異なります。神経そのものが傷ついたり、過剰に興奮したりすることで生じる痛みです。

整形外科でよく見られる例としては、以下のものがあります。

・ 頸椎椎間板ヘルニア・腰椎椎間板ヘルニア(腕や脚へのしびれ・痛み)
・ 脊柱管狭窄症(歩くと脚がしびれる、重くなるなど)
・ 帯状疱疹後神経痛
・ 手根管症候群(手指のしびれ・夜間の痛み)

この種の痛みは、一般的な消炎鎮痛剤(ロキソニンなど)が効きにくいという特徴があります。そのため、神経痛には専用のお薬が使われます。

◯ 当院で処方される薬剤の一例

以下は、当院で神経痛の治療に使用している主なお薬です。症状や病態によって、これらを組み合わせて処方することがあります。

① プレガバリン(商品名:リリカ)

神経の過剰な興奮を抑えるお薬です。ビリビリ・ジンジンとした痛みやしびれに幅広く使われています。眠気やふらつきが出やすいため、最初は少量から始めることが多いです。

② ミロガバリン(商品名:タリージェ)

プレガバリンと同系統のお薬で、より選択的に作用します。神経痛やしびれに対して使用され、同様に少量から開始するのが基本です。

③ メコバラミン(商品名:メチコバール)

ビタミンB12製剤です。傷ついた神経の修復を助ける働きがあり、しびれや感覚の鈍さの改善が期待できます。副作用が少なく、他のお薬と組み合わせながら長期間服用しやすいのが特徴です。

④ デュロキセチン(商品名:サインバルタ)

「抗うつ薬?」と驚かれることがありますが、これは気持ちの問題だからではありません。脳や脊髄での痛みの信号を抑える「下行性疼痛抑制系」を活性化させる効果があり、慢性的な神経痛・腰痛に有効です。効果が出るまで数週間かかる場合がありますが、継続することが大切です。

◯ お薬だけでは不十分? リハビリとの組み合わせが大切な理由

痛みが和らいだ「その先」へ進むために

神経痛が続くと、人は自然と痛む部位をかばうようになります。その結果、筋力が低下したり、関節が硬くなったり(拘縮)、姿勢が崩れて別の部位に負担がかかるという悪循環が生まれます。

お薬で痛みを適切にコントロールすることで、リハビリに取り組める体の状態をつくることができます。逆に言えば、痛みが強いまま無理にリハビリを行っても、患者さんの負担が増すだけで効果は限定的です。

リハビリで行うこと

理学療法士や作業療法士によるリハビリでは、主に以下のアプローチを行います。

  • 神経の滑走性を改善する運動:神経が周囲の組織に引っかかりなくスムーズに動けるよう促します
  • 筋力・柔軟性のトレーニング:神経を圧迫している原因(姿勢・筋力不足など)にアプローチします
  • 日常動作の指導:症状を悪化させない体の使い方をお伝えします
  • 痛みの教育(ペインエデュケーション):痛みのメカニズムを正しく理解することで、不安を軽減し回復を促します

◯ お薬をやめるときは必ず医師にご相談を

神経痛のお薬の中には、自己判断で急に服用をやめると、離脱症状(めまい・吐き気・しびれの悪化・気分の落ち込みなど)が現れる可能性があるものがあります。「症状が良くなったから」「副作用が気になるから」といった理由であっても、自己判断での急な中断はせず、必ず医師にご相談ください。

お薬を減らす場合は、医師の指示のもとで少しずつ量を減らしていく(漸減)のが基本です。気になることがあれば、いつでもお気軽にお申し付けください。

◯ まとめ

神経痛は、ロキソニンなどの一般的な痛み止めでは効果が出にくく、専用のお薬を使う必要があります。しかし、お薬はあくまで「痛みをコントロールする手段」であり、根本的な改善にはリハビリとの組み合わせが欠かせません。

「しびれや電気が走るような痛みが続いている」「お薬を飲んでいるけどなかなか良くならない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。お薬とリハビリを組み合わせた治療で、日常生活の質を取り戻しましょう。

次回も皆様の「なぜ?」の解決をお手伝いできるような記事を投稿いたします。

投稿日:2026年05月23日

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