リハビリスタッフのブログ

「レントゲンで異常なし」なのに痛む理由


こんにちは、理学療法士の馬場です。暦の上ではすっかり秋ですが、まだ夏の名残を感じる毎日ですね。
体調を崩しやすい季節の変わり目、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

今回のテーマはレントゲンです。
「レントゲンでは異常がありませんね」と言われたのに、なぜか痛みが続く――。そんな経験をされた患者さんは少なくありません。
今回は、レントゲンで分かること・分からないこと、そして痛みの本当の原因について、分かりやすくお話しします。

レントゲンで分かること・分からないこと

レントゲン検査は、骨折や骨の変形、関節のすき間の状態など、「骨」の異常を調べるのに優れた検査です。骨にひびが入っていないか、骨と骨の間隔が狭くなっていないかといったことは、レントゲンでよく分かります。

しかし、レントゲンには写らないものもたくさんあります。たとえば、筋肉・腱・靭帯・軟骨・神経・関節を包む袋(関節包)などは、レントゲンにはほとんど映りません。つまり「レントゲンで異常がない」ことは、「痛みの原因がない」ことを意味するわけではないのです。

筋肉・腱・神経・関節など、痛みの原因

痛みの原因は、骨以外にもさまざまな組織に隠れています。

・筋肉:使いすぎや緊張によるこり、微細な損傷

・腱:骨と筋肉をつなぐ部分の炎症(腱炎)

・神経:圧迫や刺激によるしびれを伴う痛み

・関節:軟骨のすり減りや関節を包む袋の炎症

これらはレントゲンには映らないため、画像検査だけでは原因を特定できないことが多くあります。必要に応じてMRIや超音波(エコー)検査が行われるのはこのためです。

痛み=組織が壊れている、とは限らない

痛みがあるからといって、必ずしも組織が「壊れている」わけではありません。

たとえば、長時間同じ姿勢を続けたことによる血流の悪化や、筋肉の緊張が続くことによるこわばりも、立派な痛みの原因になります。また、痛みには心理的なストレスや疲労、睡眠不足なども影響することが分かっています。

「痛み=重い病気」とは限りません。過度に不安にならず、まずはご自身の体の使い方や生活習慣を振り返ってみることも大切です。

例として上記の画像をご覧ください。(画像はAIで作成したものです。)
あくまでも一例ですが、右側に写る正常なレントゲン画像でも痛みを訴える方もいれば、左側の明らかな変形所見を認める結果でも痛みや生活動作の制限のない方もいらっしゃいます。
レントゲンに異常所見があっても、内服や関節注射、リハビリテーションで痛みの緩和や元の生活を取り戻した方もたくさん、いらっしゃいます。まずは気軽にご相談ください。

理学療法士は何を評価しているのか

当院の理学療法士は、レントゲンには映らない部分を、実際に体を診ることで評価しています。具体的には次のような点を確認しています。

・どの動きで、どこが、どのように痛むか

・筋肉の硬さや左右差、関節の動く範囲

・力の入り方や、体の使い方のくせ

こうした評価を積み重ねることで、レントゲンだけでは分からない痛みの本当の原因に近づいていきます。

動作や姿勢を見る意味

痛みが出る動作や、普段の姿勢を確認することも、理学療法士の大切な仕事です。同じ「膝の痛み」でも、歩き方のくせや、座っているときの姿勢によって、負担がかかっている場所は人それぞれ異なります。

動作や姿勢のくせを見つけて改善することは、痛みの根本的な原因にアプローチする第一歩です。検査結果に異常がなくても、動きの中に原因が隠れていることは少なくありません。

おわりに

「レントゲンで異常がない」と言われても、痛みが続く場合は気軽にご相談ください。
画像に映らない痛みの原因を、体の動きや姿勢から一緒に探っていきましょう。

投稿日:2026年09月24日

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