院長ブログ

PFC-FD療法とは?

明けましておめでとうございます。
みやリハ院長の宮崎義久です。当院のブログをご覧頂きありがとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

当院が開業してから3年8ヶ月が経ちました。
開業当時からの3年間はコロナ感染対策で、何もかもが手探り状態でした。
昨年からは5類に移行され、やっと一段落とは思いますが、最低限の対策は必要と考えております。
来院された患者様には申し訳ございませんが、入り口でのアルコール消毒とマスク着用のお願いを継続しております。

当院はクリニックであるため、可能な限り保存治療で症状の改善を目指しております。
しかしながら、開業してから3年以上経過すると、どうしても手術治療に頼らざるを得ない状態もあります。
でも、手術となると、「手術は恐ろしい」や「仕事が休めない」などとおっしゃる患者様もいらっしゃいます。

当院でも何か違ったアプローチで、そのような患者様のお役に立てる治療方法はないか考えております。
今年から治療の選択肢を増やす目的で、できる限り手術を行わない治療方法として、再生医療由来の手技に着目しています。

保存治療と手術治療の間に位置する治療方法になりうると考えられているのが、血小板に含まれる成長因子を利用した治療方法(PRC-FD療法)です。
血液に含まれる血小板は体内で傷を負った部分を修復する働きがあります。
血小板に含まれる「成長因子」が修復過程に大きな役割を担っています。
採取した血液から血小板の成長因子を抽出し、炎症を起こしている部分に注射することで、傷んだ部分を修復します。
人体がもともと持つ「抗炎症作用、自己治癒力」を応用した治療方法です。
色々な部位の関節症、関節周囲の靭帯や軟部組織、腱の炎症などの治療に応用できます。
この治療手技は、患者様から採取した血液を専門の施設で成長因子の抽出してもらい、その後、患部へ注射するだけなので、クリニックでも可能です。

主に、膝関節に行われることが多く、成績も良いようです。

当院としては、手周囲の症状で困っている方が多いので、母指CM関節症、TFCC損傷、テニス肘などの腱付着部炎などにも応用できそうです。

夢のような治療方法ですが、いくつかの問題点があります。
1)自由診療での治療になりますので、治療費は患者様の自己負担になります。施設によって多少の金額のばらつきはありますが、決して安くはないです。
2)感染症がある方は禁忌となっています。
3)治療効果にはある程度のばらつきがあります。

まだまだ、全員の患者様のお役に立つことは難しいのですが、今後の治療方法の多様性の第1歩と考えております。

投稿日:2024年01月01日

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