ゲームキーパーの親指??
皆様、こんばんは
みやリハ院長の宮崎義久です。当院のブログをご覧頂きありがとうございます。
梅雨時に突入し、マスクの蒸し暑さが気になる季節ですね。当院のレントゲン室も湿度が上昇し、精密機械への影響が気になっております。休日も除湿機に溜まった水を捨てないと行けないので、毎日クリニックに通っております。
整形外科の疾患には人の名前や興味深い名詞が付けられていることが多々あります。
皆さんは「ゲームキーパー(gamekeeper)」ってご存じでしょうか?
ネットで調べると、「猟場や野生動物の世話をするために雇われた人」と書かれています。要するに、貴族などが狩猟を行う際に、獲物のとどめを刺す役割の人のことです。狩猟はゲームなのでしょうか?
母指の2番目の関節(付け根の関節)の示指側の靭帯損傷にこの名前が付けられています。厳密には慢性的な靭帯損傷を指します。急性外傷の場合にはスキーのストックが原因で受傷することが多いので「スキーヤーの母指」と呼ばれています。
典型的な状態では親指にストレスをかけるとこのようになります。
レントゲン写真ではこのような状態です。
たまに、捻挫の診断で見過ごされて、受傷後数ヶ月経過した時点でお目にかかることがあります。
話は戻りますが、この外傷がなぜ狩猟の「ゲームキーパーの母指」と呼ばれるのでしょうか?
ゲームキーパーは狩猟の獲物であるウサギを殺す時に頚部を過伸展し骨折させるそうです。その際に母指の第2関節にストレスがかかり、長年かけて靭帯が伸びて不安定になるそうです。
皆さんも親指の第2関節を捻挫した際はこの外傷を知っておくと役に立つかもですね。
投稿日:2020年06月28日